SUUNTO

−スントはこんなメーカー−


「自分がどこを目指しているのか」

 平らな大地が氷と雪と深い森で覆われているフィンランドでは、オリエンテーリングは多くの愛好者をもつメジャースポーツだ。スントの創業者であるヴォホロネンはエンジニアであると同時に熱心なオリエンテーリングフリークで、使用するコンパスが指し示す方位が安定しないのに不満を抱いていた。そこで、コンパス容器にオイルを封入してみると、方位表示が格段に向上した。1936年、こうして世に出た溶液充填コンパスは、その性能が認められ各国の軍隊に正式採用され、スント社の礎が築かれた。

 60年代以降、マリン/ダイビングコンパス、ベアリングコンパス、クリノメーター(※)開発に着手、スポーツだけでなく、林業、鉱業、測量などの正確な計測のために使用される精密機器の最大メーカーに成長する。70〜80年代、スントは積極的にダイビング機器に取り組む。コンパスに圧力計や水深計を組み込むなどのユニークな発想は、デジタル技術を駆使したダイブコンピューターを生み出し、ダイビングを誰でも楽しめる安全なスポーツへと進化させた。

 90年代、ダイブコンピューター製造で得た知識と高度な技術を駆使し、スポーツウオッチ・ヴェクターを発表、スントは本来のフィールド"陸"に戻ってきた。腕時計の域を越えた製品群を、スントはリストップコンピュータ(腕につけるコンピュータ)と位置付け、科学に裏付けされた正確な情報こそがアスリートにとって重要だと謳い、本物志向のスポーツ愛好者から強い支持を受けている。

 本来のフィールドに戻ったスントは、アウトドアを飛び出してトレーニング、スノースポーツ、マリンスポーツ、都市、ゴルフコース、もちろん日常でも使える様々なモデルをリリース、計測可能な多様な情報をユーザーに届けてくれる。そこには「運や勘、経験に頼るのではなく、人が環境に合わせて自分で管理する」というコンパス開発の経験から生まれた哲学が、脈々と受け継がれている。「自分がどこを目指しているのか」を常に把握する大切さは、全てのスント製品に共通するコンセプトなのだ。ちなみに、スントはフィンランド語のsuunta(方角)に由来する。

 2004年秋に発売されたX9は、GPSを内蔵したスポーツウオッチだ。発売と同時に手に入れたX9だったが、その情報の少なさにビックリ。「スントの力」では、X9の性能、使い方、裏技など中心に順次公開していきます! お楽しみに。

※クリノメーター:地層の走向と傾斜とを測定する器具。傾斜儀。測斜計。